胃がん

胃がんとは?

胃がんによる死亡数は年々、減少傾向にありますが、年齢別でみると40歳以降の発症が目立っています。
胃がんは胃の粘膜が何らかの原因でがん化する病気です。早期胃がんの特徴的な症状はありませんが、みぞおち周辺の痛み、腹背部の不快感、吐き気、胸やけなどを感じることがあります。
また、かなり進行した胃がんでも、症状が全く伴わないこともあれば、早期に胃痛や胸やけ、黒便が現れる場合もあります。 進行に伴って、大腸やすい臓など周囲の臓器にまでも広がっていきます。

胃がんの治療は手術を最優先しますが、完全に病巣を切除できればかなり進行した胃がんでも根治が期待できます。
術後の5年生存率はステージⅠ期で90%。術後は放射線治療や抗がん剤治療(抗がん剤治療)を行います。ステージⅣ期の5年生存率は10%程度とかなり低く、注意深い看視が必要です。

種類

胃がんは粘膜の層に発生し、時間とともに筋肉、漿膜と進行します。その進行程度により早期胃がんと進行胃がんに分類されます。
早期がんでは隆起型、表面隆起型、表面平坦型、表面陥凹型、陥凹型に分けられます。
進行がんではがんと正常な組織の境界が明瞭な限局型、がんと正常な組織の境界がはっきりしていない浸潤型があります。

初期症状~末期症状

胃がんはステージに関わらず、症状が全くないことがあれば、早期から胃痛や胸やけなどが見られることもあります。しかし、これらの症状は胃炎や胃潰瘍にも見られるため、発見が遅れることがあります。進行すると、吐血、黒色便、貧血、動悸、息切れ、めまい、体重減少、嘔吐などの症状が現れます。

原因

主な原因としては、第一に塩分過多が考えられています。胃の中で塩分濃度が高まると、粘膜がダメージを受けてがんの発生を促すという見方が強まっており、更に最近の知見としては、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染による胃炎の繰り返しなどが胃がんの原因として有力視されつつあります。

生存率

胃がん全摘出術後の5年生存率はステージⅠ期で90%、ステージⅡ期は80%、ステージⅢa期では60~70%、ステージⅢb期になると50~60%、ステージⅣ期が10%です。

再発転移

胃がんの転移には、いくつかの種類があります。血行性転移や播種性転移は、病状がかなり進行した状態にならなければ起こりませんが、リンパ節転移は早期胃がんでも起こることがあります。
しかし、リンパ節転移はかなり遠くまで広がっていなければ、手術でがんと一緒に胃の周りの転移しているリンパ節を全て切除することによって、治る可能性がある転移です。

治療

ステージⅠa期の早期胃がんは内視鏡で電気メスを活用して病巣部分を切除することが出来ます。
ステージⅠb~Ⅲb期では、基本的には外科手術で胃の一部もしくは胃全体を、周辺のリンパ節も併せて切除の対象とします。
しかしながら、ステージⅣ期になると他の臓器や離れたリンパ節などへ転移している場合が多く、抗がん剤治療が主体となり、時によっては放射線治療が加えられることもありますが、根治自体は殆ど期待出来ないというのが実態です。

当クリニックでは、進行した胃がん患者さまには樹状細胞ワクチン療法と活性化Tリンパ球療法を併せた免疫療法を、原則、抗がん剤治療に並行して施行します。また、特に手術が出来ず、結果として、胃そのものが残っている患者さまに対しては胃内視鏡を活用することで樹状細胞ワクチンのがんへの直接投与治療を行い、投与局部でのがんの消失を目指します。